未経験からWebライターになるには?副業と専業の違いから単価の上げ方まで解説

未経験からWebライターになるには?
副業と専業の違いと文字単価の上げ方

著者: 加藤 良大

歴10年フリーライター。執筆実績は21,000本以上。医療や法律、不動産、Webマーケティングなど専門ジャンルの執筆を得意としている。自分の「得意」の定義は、現場で働く専門家から高評価を得られること。

1.未経験からWebライターになる方法

Webライターは、企業のWebサイトや個人ブログ、通販サイトなどに掲載する文章を執筆する職種です。未経験からでも始めやすい職種といわれていますが、生計を立てるまで至るのは難しいと私は考えます。

私は、大学卒業後アパレル企業に入社し、数年後に退職。そこからWebライターを始めました。当時は文字単価0.25~0.5円の低単価案件を数多くこなし、月収15万円程度の収入を得ていました。文字単価0.25円で月収15万円を得るためには、月60万文字を書く必要があります。この単価でWebライターとして独立するのは現実的に難しいでしょう。

その後、実績が徐々に認められ、多くの企業からご依頼いただけるようになりました。そうなると早く、数ヶ月後には月収50万円に増加。独立から10年目の現在は月収100万円前後で安定しています。また、一切営業せずに常時20社以上とお取引いただける状況です。

私自身がそうだったように、未経験からWebライターとしてデビューし、生計を立てていくことは十分に実現可能です。一方、「クライアントに高評価をもらえず収入が安定しない」「依頼をもらえない」、「低単価で書き続けることがつらい」などの理由でWebライターを辞めてしまう方も少なくありません。

今回は、未経験からWebライターになるために知っておきたいライティング力の磨き方から仕事の探し方、単価の上げ方まで詳しく解説します。

1-1.まずは副業ライターと専業ライターの違いを確認する

副業ライターと専業ライター

副業ライターは、本業の就業時間の前後や休日にWebライターとして働くことになります。PCとインターネット環境があれば場所を問わず執筆できるため、状況次第では通勤中の執筆も可能です。

一方、専業ライターは本業がWebライターのため、稼働時間から稼働日数、休日まで全て自分で決めることができます。自宅やレンタルオフィス、コワーキングスペースなどで執筆する方が大半です。

副業ライターは専業ライターよりも気楽、簡単などといわれていますが、私はそうは思いません。本業の前後や休日に執筆することで疲労が蓄積し、体調管理も難しくなります。また、単価の低さを執筆文字数でカバーすることができないため、高単価案件を受注しなければ目標収入を得ることは難しいでしょう。一方で、仕事がなくても本業で生活費を得られるため、副業ライターはリスクが低い働き方であることは間違いありません。

専業ライターは、ライティングや営業に使える時間が長いため、それだけ短期間でスキルアップや収入アップを目指しやすいと私は考えます。努力次第で前職以上の収入を得て、法人成りを目指すことも可能です。

まずは副業ライターから始めて、自身の適性や成長度などを踏まえ、専業ライターになるべきかどうか考えるのも1つの方法ではないでしょうか。

1-2.目指すWebライター像を明確化する

目指すWebライター像によって、自身が習得すべき知識やスキルが異なります。Webライターの主なタイプは次の3つ。

  • 特化型ライター(1つのジャンルに特化したライター)
  • 複数ジャンル特化型ライター(専門性が高い複数のジャンルに特化したライター)
  • 多ジャンルライター(幅広いジャンルの記事を執筆するライター)

特化型ライターの最終目標は、他の追随を許さない圧倒的な知識量と優れたライティング力で、確固たる地位を確立することです。そのジャンルが未経験でも、専門家並の知識を得ることで特化型ライターへの道を開くことができます。

複数ジャンル特化型ライターは、医療や美容、金融と保険のように、関係性があるジャンルに特化したライターのこと。私も現在は、医療・美容・法律・不動産・金融・保険・Webマーケティングに特化したライターです。複数ジャンル特化型ライターも特化型ライターと同様に、専門家並の知識やライティング力が欠かせません。

多ジャンルライターは、幅広いジャンルの記事を執筆するライターのことです。専門家並の知識を求められることはまずありませんが、ジャンル別に書き分ける能力が求められます。通常記事報酬は特化型ライターに劣りますが、ライティング力が高ければ同等の報酬を得ることも可能です。

私も最初は多ジャンルライターでした。複数ジャンルの記事を受注する中で、医療記事の評価が高いことに気づき、医療特化型ライターを目指すことを決意。最初は修正依頼が多い状況でしたが、医療専門の編集者と医師からの修正依頼に真摯に対応し続けたことで、「安心して任せられる」と言われるまでに成長できました。このように、業界未経験でも特化型ライターになることは十分可能です。

1-3.ライティング力を磨く

副業・専業ともに、目標収入を得るためにはライティング力を磨くことが必須です。どれだけ営業力が高くても、ライティング力が低いと継続的に依頼してもらえません。その結果、常に新しい仕事を探して営業し続けることになり、心身ともに疲弊することになるでしょう。

ライティングを磨く方法は、大きく分けて次の2つです。

独学でライティング力を磨く

Webメディアやニュースサイトなど、自身が活躍したいフィールドの記事をチェックして、独学でライティング力を磨く方法があります。記事の投稿先に応じて、テイストや漢字・ひらがなの使い分け、掲載NGな内容、目的などが異なるため、さまざまな媒体の記事を読みこむことが大切です。

また、クライアントからの修正依頼に対応し、二度と同じミスをしない気持ちで取り組むことも成長に繋がります。私も最初は修正の数が非常に多かったのですが、全ての修正依頼に真摯に対応した結果、修正不要や修正が少ない記事を執筆できるようになりました。

最初は誰もが未経験で初心者です。修正依頼が多くてもめげずに取り組むことで、道はひらけるでしょう。

ライタースクールを利用する

ライタースクールは、文章の基礎から応用まで体系的なカリキュラムで学習できるサービスです。メディアやニュースサイトなどの特色、ユーザー属性などを踏まえた書き分け方、営業のかけ方など、ライターとして活躍するために必須なスキルも習得できます。

実際に第一線で活躍しているライターの指導を受けることができる点は、ライタースクールを利用する大きなメリットの1つ。その一方で、「ライティングを無料で学べる」と称し、非常に低い報酬で数十記事を書かせる詐欺的スキームの講座も存在する点に注意が必要です。

ライタースクールを受講する際は、講師の実績や信頼性を十分に確認したうえで、まずは詳しい話を聞いてみましょう。実際に話を聞いて、信頼できるかどうかを見極めることが重要です。

2.Webライターの仕事の見つけ方

Webライターとして継続収入を得るためには、仕事を引き受けてクライアントから高評価を得る必要があります。仕事を見つける主な方法は、「メディアへの直接営業」、「クラウドソーシングサイト」、「人材マッチングサイト」、「求人サイト」の4つ。メディアへの直接営業や求人サイトからの応募、人材マッチングサイトの利用が難しく感じる場合は、クラウドソーシングサイトを活用するのがおすすめです。

それでは、Webライターの仕事を見つけるために利用すべき2つのクラウドソーシングサイトについて見ていきます。

2-1.クラウドワークス

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クラウドワークス

クラウドワークスは、利用企業78万社以上、登録ワーカー数480万人を誇る国内最大級のクラウドソーシングサイト。クラウドソーシングとは、仕事を受注したい人と発注したい人を繋げるサービスのこと。クラウドワークスがクライアントから報酬金を一時的に預かり、プロジェクトの完了時にWebライターへ支払われる「仮払制度」を採用。「仕事を完了したのに報酬が支払われない」、「不当に減額された」などのトラブルを防ぐことができます。

クラウドワークスでWebライターとして仕事をする方法は、「プロジェクトに応募して採用される」、「タスク案件をこなす」の2つ。タスク案件はすぐに仕事を開始できる一方で、プロジェクト案件と比較して報酬が低い傾向にあります。まずは、タスク案件でライティングに慣れてから、プロジェクト案件に応募するのも1つの方法でしょう。

また、過去の経験やライティング実績などをプロフィールに記載しておけば、興味を持った企業から仕事を打診される場合もあります。さらに、クラウドワークスで実績を積むことでプロクラウドワーカーに認定されると、契約単価が上がるとのデータもあるため、積極的に利用するのがおすすめです(クラウドワークス調べ)。

2-2.ランサーズ

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ランサーズ

ランサーズは、クラウドワークスと同じくクラウドソーシングサイトの1つ。仮払い制度やプロジェクト案件とタスク案件がある点は、クラウドワークスと同じです。私は、ランサーズで出会ったクライアントから多くの依頼をいただくことに成功し、Webライターとして安定収入を得られるようになりました。10年が経過した現在でもランサーズを利用しており、報酬総額は3,300万円以上、受注数は960件以上にまで伸びています。

ランサーズは、実績数が少なくてもクライアントから直接相談されやすい仕組みを導入しているため、未経験からWebライターを始める際はぜひ登録しておきたいサイトの1つです。また、プロフィールの充実化、各種認証のクリア、過去1年間の報酬額が上位20%などの条件を満たすと「認定ランサー」に昇格し、ライター検索で自身のプロフィールが表示されやすくなります。

SNSでは、「クラウドソーシングサイトの依頼は低単価」「卒業すべき」といった情報が散見されますが、私は大企業の高単価案件をランサーズ経由でいくつも受注しています。そのため、Webライターとして活躍できるようになってからも、クラウドソーシングサイトは引き続き利用することをおすすめします。

3.Webライターの単価の上げ方

Webライターとして活躍するためには、十分な単価の継続案件を受注する必要があります。最低でも文字単価1円以上の案件を受注しましょう。自身のライティング力や専門性次第で、文字単価3円以上、あるいは10円以上も実現可能です。ちなみに私は平均報酬が文字単価3~5円、最高文字単価は20円です。

Webライターが単価を上げたい場合は、単価が決まる要因を知ることが先決です。発注元が制作会社に記事の発注を依頼し、制作会社が社内ライターもしくは、業務委託のライターに記事の執筆を依頼します。このとき、発注元とライターの間に入る会社の数が多くなればなるほどに、ライターの報酬が少なくなります。

また、ライターに依頼した記事に修正点が多い場合は依頼側の負担が増えるため、それだけ報酬を下げざるを得ません。反対に、修正不要で発注元からも高評価を得られる記事を執筆できれば、より多くの報酬を得ることができます。

以上をまとめると、Webライターが単価を上げるために必要な要素は次の2つ。

  • 修正不要の高品質な記事を執筆する
  • 間に入る会社の数が少ない案件を受注する

修正不要の高品質な記事とは、単に正しい日本語のわかりやすい記事ではありません。掲載サイトの特色やユーザー属性、クライアントの好みまで反映してこそ、高品質な記事と言えるでしょう。前述したとおり、「修正依頼に真摯に対応し、同じミスを繰り返さない」、「掲載先の特色やユーザー属性まで記事に落とし込む」の2点に注力することが大切です。高評価を得られると、案件終了後も他の案件を依頼してもらえる可能性が高まります。

このような実績を積み上げることで、いずれは営業せずに継続収入を得られるようになるでしょう。

4.未経験からWebライターを目指す方へのメッセージ

未経験からWebライターを目指す理由は、「少しでも収入を増やしたい」「心身の事情で在宅OKな仕事を始めたい」「書くことに興味があり自分が好きな仕事に就きたい」など、様々です。自身にとって理想のWebライターになるためには、まずクライアントから高評価を得られるWebライターを目指す必要があります。

最初は、1つの記事を書き上げるのに予想以上に時間がかかるはずです。クライアントに真摯に向き合い、記事のクオリティを上げることに注力すれば、いずれ自身の理想の働き方を実現できるでしょう。また、自身の実力や実績を正しく伝えるための営業力も欠かせません。さらに、SNSアカウントや魅力的なプロフィール、SEO対策を施した個人サイトなどを開設し、少しでも受注の可能性を高めることも重要です。

Webライターの大半が異業種からの転職組ですが、本当の意味でプロのWebライターになるのは決して簡単なことではありません。今回、解説した内容を参考に、ぜひプロのWebライターを目指してみてください。

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